【イベントレポート】スタートアップ入門セミナー「片麻痺リハビリロボットで人と医療の架け橋になる -研究者+事業経営者の連携を成功に導くポイントとは- 」

2025年7月30日、東北学院大学五橋キャンパス未来の扉センターにて、スタートアップ入門セミナー「片麻痺リハビリロボットで人と医療の架け橋になる―研究者+事業経営者の連携を成功に導くポイントとは」が開催されました。

本イベントは、みちのくアカデミア発スタートアップ共創プラットフォーム(MASP)との共催で行われ、研究者と経営者の理想的な連携モデルを紹介する貴重な機会となりました。

イベントの前半は、岩手大学理工学部理工学科機械知能航空コースの三好扶教授と株式会社東北医工の大関一陽代表取締役による講演があり、研究者と経営者の連携についての実体験をお話しいただきました。

三好氏は、二足歩行ロボットの研究から始まり、医学分野への転身を経て片麻痺リハビリロボット開発に至った経緯を説明。「研究者は経営をやってはダメ」と明確な役割分担の重要性を強調し、自身を「翻訳者」と位置づけ、医師のニーズを工学的な言葉に変換する役割に徹していると、スタンスを語りました。

大関氏は、従来手掛けていた自動車関連事業の他に「もう一つ(事業の)柱はないか」と考え、医療機器分野に参入した背景を説明。「先生(三好氏)からすると事業を実現してくれる人を求めていて、思惑が一致したのではないか」「そういう出会いがとても大切だと思います」と語りました。

両氏の連携で開発された片麻痺リハビリロボットは、2025年1月に厚生労働省から医療機器承認を取得し、周囲からの注目を集めています。

後半のパネルディスカッションでは、お二人に加え、東北大学特任教授スタートアップ事業化センター企画推進部長の高橋秀志氏がパネラーとして登壇しました。

最初に高橋氏からMASP(みちのくアカデミア発スタートアップ共創プラットフォーム)の支援実績について紹介があり「マッチング成功率は10%程度だが、これは決して悲観的な数字ではない」と、事業フェーズごとに研究者と経営者の相性や役割分担が変わってくることなどを指摘しました。

質疑応答では、相性のいいパートナーの見つけ方について質問があり、大関氏は「お互いに会話が成立すること」「嘘をつかないこと」を重要な条件として挙げ、三好氏は「コンセプトがブレないこと」が信頼関係の基盤になると答えました。

最後に、三好教授は「背負い過ぎずに良いパートナーを見つけることが重要」、大関代表取締役は「人との出会いがすべて」と受講者へメッセージを送り、研究者の事業化への挑戦を後押ししました。

参加者からは「すぐにでも参考になるお話を聞くことができた」「皆さんの率直な体験や実績の話を聞くことができた」といった感想が述べられました。

産学連携の成功モデルであるお二人や、支援機関の事例紹介を通じて、多くの示唆を与えるイベントとなりました。

イベントハイライト動画も下記バナーからご覧いただけます。
ぜひ、ご覧ください!

▼イベントハイライト動画はこちら▼

関連記事

TOP